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◆ツイッターlog「古泉の壁ドン」
<前提>
ツイッターでちょっと流行った“壁ドン”(壁際にドンと手をつき追いつめて、情熱的に好きだと
言わせるシチュエイション)において、古キョンならどうだろうという話になったとき。
ハルヒクラスタの見解は大体、“キョンが古泉を壁際に追いつめ、「素直に俺を好きだと
言いやがれ!」とせまる”だろうというもので、私もそれには全面同意。
では逆に古泉がキョンに、だったらどんなシチュだろう?と考えてどうにも思いつかなかったので、
“古泉が泣きながら壁ドンして「好きって言えよ……!」ていう可能性を模索したけど難しすぎた”と
つぶやきました。
が、その後お風呂かなんかで考えてたら、ふとシチュが見えたので書いてみたのがコレです。
前提なげえ。

***

「どうして……っ!」
壁際に追いつめられた俺の肩あたりに、古泉はドンと両手をつく。すっかり囲い込まれた俺には、もう逃げ場がない。
「古泉……」
「どうしてあなたは……僕がどんな想いでいるのか、わかっているくせに……!」
 降りしきる雨がにわかに強くなった。冬の雨が容赦なく、古泉の髪を肩を濡らしてゆく。頬を濡らしているのは、髪からしたたる雨水なのか。それとも……?
「好きだと言ってください」
「…………」
「涼宮さんを、好きだって。嘘ではないはずだ」
 確かに嘘じゃない。ハルヒのことは嫌いじゃない。むしろ好きだし、たったひとつの要因さえなければ、つきあいたいと思うことだってあったかもしれない。でも。
「……できない。だって俺はお前が」

「好きって言えよ!」

 らしくもない口調で叫んで、古泉は壁を殴った。
 だけどモルタルの壁はそんなことではびくともしない。ガツッとにぶい音を響かせるのみだ。
「古泉……」
 伏せた瞳から、今度は間違えようのない涙があふれて、ぱたぱたと地面に落ちる。がくりと肩を落とし、古泉は血のにじむ手で顔を覆って吐き捨てた。
「どうして……あきらめさせてくれないんですか……」

                                                   
(2012.11.07 up)
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収納場所に困った小ネタログを並べていく試み。
今後増えるかどうかはわかりませんが。